homerhymester blog20090407
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「ダンス」
2009.4.7 02:52:00
みなさまお元気でしょうか
Dでございます。
最近はマボロシのツアーリハなどやっとります。
ちょっとご無沙汰過ぎちゃったんで
書いてから数ヶ月寝かしてた
少々濃いいトークなど。
ヤングな同業者限定
かつ
字ばっかりで済みませぬが
お付き合いくだされ。
「ダンス」
以前「ライミング」に関して思うことを
マボロシのBlogのほうに
なんか書いちゃったりしたのですが
http://playlog.jp/maboroshistaff/blog/2008-10-25
今回は「ダンス」に関して思ってることを。
まあ、例によってMC予備軍向けなのですが
ライムスのほうに
書いちゃったりなんかして。
昨年とある音楽専門学校のパーレイに
ゲストとしておよばれしたときに話したのですが
そこは明日のスターを夢見る若者たちが
熱心に歌や踊りや作曲の練習を重ねる場であったのですが
講師はライムスPVやライブをはじめ
ビッグアーティストたちのバックダンサーを務める
オリジナルB-Boy、KATSUくんだったのですが
(オレと同い年。彼もダンサーでありながらラップにも果敢に挑戦し
やっぱしセンスムチャクチャいいのですが)
彼との対談形式でトークは進んで行ったのですが
そこでわたしは言いました。
「ラッパーを志すものはダンスをやれ」と。
正確に言うと、「一度はかじれ」ということなんだけども。
これまたビミョーな話で
MCたちは今すぐダンススクールへ通いなさいということでは全くなく
いまだヤングであるならグルーヴ感をつかむのに
見よう見まねもとっても近道かもよ。くらいのことで
カンのいいアーティストであれば
自然と出来ちゃってることなんだけどね。
そしてそういうことが全く必要ない
もしくは逆効果なタイプのスタイルも確かに存在するのですが。
どういうことかというと
そこにはその種のフィーリングを育てるヒントがいっぱい転がってる
ということです。
たとえば、
それは拍の取り方から始まります。
オレらミュージシャンは基本4拍、つまり一小節を基本にしますが
彼らは基本8拍(=2小節)の倍でカウントします。
ツー・エイトとかフォー・エイトみたいに。
これって絶対小節感を育てるのに有効かも。
なんでかっていうと、
この手の音楽だと、ふつう楽曲構成単位は偶数小節で
奇数小節は「ハンパ感」を出すときしか使われないからです。
ライムスのMCたちも、
ノートに歌詞を書くときは常になんとなく
2小節で改行しているようです。
絶対小節感ってのは造語だけれども
なんとなく今4小節進んだなとか、
16行ったっしょみたいな感覚。
これって実はすごく重要で、
そのなんとなく8とかなんとなく16とかってのをつかんどくのが
特にライブ中、力を発揮します。
たとえばイントロの把握や、
コールアンドレスポンスなどのアドリブからの復帰
歌詞や針が飛んだ(今時ないか!)ときのリカバリー能力に
影響してきますです。
まあ、これはMCやDJをやってれば自然とついてくるもんだけどね。
無視するのもまたとってもHIP HOPではある。
それから、
大っきい拍の中のちっちゃい拍
つまり「ウラ」を感じることが自然と身に付くからです。
とくにクロい系ダンスのばやいこれが出来ないと致命傷。
その中にスタッカートなキメや、
スラーなタメが入ってきます。
要は身体制御能力、抑制能力といってもいいかも。
静と動
OFFとON
音符と休符
弛緩と緊張
収縮と解放
このメリハリは、カッコいー人たちはみんな自然にやってます。
とくにB-Boying(いわゆるブレイクダンス)は
部分的に拍の縛りから逸脱したりして
しかも要所ではフリーズ決めたりなんかしちゃって
なんつーかもうJAZZです。
まー、高度ですが
これもタイトにビートがとれてるから出来ることであって
ラップの場合だとやっぱし一時的にビートはずして遊んだりとか
レイドバックしたまま(微妙にもたったまま)キープなんてことが
近いのかもしれません。
このへんは若手のほうが上手い。
音楽的逸脱ってのはHIP HOPに重要な要素とおもいます。
それから、
与えられたブロックの中でドラマを完結させるってのも
同じかな。
それからそれから、
こことっても重要なとこですが、
ライブやPVなど、見てくれがくっつくとき特にですが
ラップみたいに動いてないとダメです。
これじゃ意味わかんないか
要するに、
自分のフロウ、デリバリーをヴィジュアルで
体現できてないとダメで、
っていうかもったいなくて、
それが出来てるひとはようするに
自分の「ダンス」が踊れてるひとだと思うからです。
これを確信したのはかれこれ数年前
ハンちゃん(Hunger / GAGLE)のライブを見てたときで
おれにとってはそんな昔ではないのですが
彼は時に非常にトリッキーなフロウをかましますが
その時彼の手足が完璧にそのフロウを体現しているのを
見てしまったからです。
それからは、パフォーマンスがすばらしいMCは
みんなそれをやってることに気付きましたが、
これが出来るとステージ上でとっても大っきいひとに見えます。
ジャンルは違いますが
PUSHIMもA.I.ちゃんもデッカく見えるっしょ?
最近見たQ-Tipもそうでした。もともとデカいけど。
ようするに、アピール度が劇的に変わります。
それをやることによって、
フロウも相互作用的に大っきくなるんだと思いました。
ということは歌ってるときの動きのチェックなど
したほうがよいのか!?
DJ JINは鏡の前でDJ-Ing時のフィジカルパフォーマンス
日々磨いていると言います。
「兄貴ー!」
「キレてる!キレてる!」
「デカい!デカい!」
などと声援を送ってあげてください。
えー、
まー、わーっとるわい!的なことばかりだったと思いますが
オレは中1のときにブレイクダンスに出会って
そこからこの道に入ったってのもありますが
ダンスなんていうのはやろうとしてやるというか
たとえばそういう国のそういうコミュニティーに育てば
子供の頃から身に染み付いている訳で
南米におけるサッカーみたいに
最近子供の成長見てると
音楽が鳴ると当たり前のように体を動かすのが
何歳くらいからおれらはそういうの躊躇し出すのかなー
なんて思ったりしたりして
かつ
いいラッパー、シンガーは
みんなその手のフィーリング持ってるなあ
とか思ったりして
書いてみました。
この前アムロちゃんのLIVEを観に行ったからかもしれません。
んで結論
MCは「オノレの踊りを踊れ」なくてはならぬ。
コヤマシュウも言ってます。
その上で
踊っちゃダメよ!
いわゆる「DANCE」披露すると
MCは途端に軽く見えるから要注意!
以上無用のことながら。
(D)
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このBLOGについて
【管理:スタープレイヤーズ】ライムスターメンバー、スタッフが書き込みます。
2018年10月に旧ライムスターブログ、11月にマボロシブログ『マボロシ 坂間大介 Rec日記』を統合し、全ての時代のライムスターブログがここに集まりました。
RHYMESTER(ライムスター)
1989年結成。宇多丸(ラッパー)、Mummy-D(ラッパー/プロデューサー/またグループのトータルディレクションを担う *作編曲家としての名義はMr. Drunk)、DJ JIN(DJ/プロデューサー)からなるヒップホップ・グループ。自他共に認める「キング・オブ・ステージ」。フィジカルとエモーションに訴えかけるパフォーマンスと、当意即妙なトークによって繰り広げられるライブに定評がある。1980年代後半、まだヒップホップが広く一般に認知されるはるか前より「日本語でラップをすること」の可能性と方法論を模索。並行して精力的なライブ活動を展開することによってジャパニーズヒップホップシーンを開拓/牽引してきた。近年はグループとしての活動に加え、各メンバーがラジオパーソナリティーや役者など活躍の場を拡大。結成30周年を迎えた2019年にはアニバーサリー企画としてグループ史上最大規模の47都道府県48公演に及ぶ全国ツアーを敢行、成功へと導いた。
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